鳴海突撃隊2

 警察の目をくぐって破壊工作するのには、ほとほと疲れ果てていた。もともと偵察隊に過ぎなかった鳴海隊が破壊工作や戦闘をともなう行動に回ったのは、ひとえに戦力の喪失の結果による。
 本来の戦闘部隊は、あの攻勢以来の冒険主義的な作戦、すなわち連続的なテロで大半が治安当局の厳しい摘発を受け、逮捕されていた。
 鳴海隊は、治安の強化にすばやく反応し、自己防衛に努めた。その結果、何とか表世界から姿を消すことに成功し、ほぼ無傷で逃れた。どこまで掃除できたか不明だが、安全な場所に潜んでいた。
 鳴海は自信があった。5名の隊員はバラバラに散り、目立たない仕事についた。このまま連絡をとらず、スリープに入りたかった。党中央から何も言ってこなければ。