さよなら 4プラ

札幌市都心部で大通り地区を代表するファッションビル、4丁目プラザ、通称4プラが2022年1月、半世紀の歴史に幕を閉じた。

4プラができた1970年、冬季オリンピックを前に札幌市は地下鉄など大規模なインフラ整備、再開発が進み、街並みはどんどん変わる真っ最中だった。若者ファッションの発信源として4プラは、ティーンネージャーたちがおしゃれを楽しむ登竜門となった。1975年に開店した札幌PARCOが20代のお姉さんファッションだとしたら、4プラはその妹分みたいな存在。隣接する丸井今井三越などのデパートは高級感はあるものの、大人の女、オバさん的な感じで、10代から20代の若い女性にとって敷居が高い。

 PARCOがブランド志向ならば、4プラには自由市場があり、ごちゃごちゃ、かわいい雑貨やファッションが玩具箱をひっくり返したような面白さがあった。アンルイスのブランド「原宿エイエイオー」とか、道内発のアパレルメーカー「発信グループ」なんかも元気だった。

その拠点もブランド直営店や世界のカジュアルブランドなどの進出に負けて、発信力を失い、若者のファッションも多様化し、購買行動はネットへと主戦場を移していった。特に新型コロナ感染症の感染拡大で実店舗は軒並み、客足が落ち、バーチャル店舗に押し捲られたのだと思う。ギャップやユニクロの大量生産アパレルはカジュアル市場を席巻し、若者もその例外ではないだろう。若者向けの個性的なファッションを発信している場所がどこなのか、今はさっぱりわからない。

たくさんの思い出と共に、さよなら4プラ。

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