子女たちの絆

 付属の女子中学生たちが英語の話をしていた。すべての思考を英語で表現できるすごい男の子がいて子女たちのエスパーなのだ。
「あのコはほんとにすごいよ」
「帰国子女でしょ」
「英語だけじゃなく何カ国語もできるのよ」
「それより話の中身があるもん」
「資格も取っているし」
「就職率100%だって」
「フツウの中学生じゃないって」
「ああいうヒトも日本にはいるのよ」
「ねぇ聞いて、聞いて」
「何よ」
「ワタシ、ヒアリングで95点とったの」
「すごい」
「あのコは百点だったけど」
「ここに来るまでワタシ、英語できると思ってたの」
「でもすごいヒトがいることがわかってショック」
「渡辺も英語できるよ」
「英語だけね」
「日本語つたないもん」
「家で英語しかしゃべらないだって」
「バカじゃん」
「親や弟もヒアリングはかなりできるってよ」
「じゃ友達が来た時どうするの」
「あいつ答えないで誤魔化してたわ」
「あとあの外人っぽい女のコいるよね」
「あのコはだって外人でしょ」
「英語しゃべって当たり前よ」
「韓国系カナダ人」
「でもバカでしょ」
「違うって、そう見えるかもしれないけど」
「リンダは鋭いよ」
「あいさつもしたことないコ、たくさんいるよ」
「ワタシもいるよ」
「デイブにはオハヨーってあいさつだけできる」
「あいつはそれでいいよ」
 子女たちの絆は強く、特別な時間が流れている。