ホスト経験あり

 デブで茶髪の女を連れてJRに乗った男は、韓流スターのようにかっこ良さを辺りに振りまいていた。
 彼をまともに見る人はなく、浮き上がっていた。女性らは、キミ悪がって明らかにそのカップルを避けていた。
 そこで、男はしゃべり出した。「オバンでギャルの格好してるヤツって○○悪くない」
「きも〜い」とデブはだるそうに言った。
 うるせーな、髪をヤリのよう尖らせた男は、つぶやく。特にうるさい声はしなかったが、 繰り返しつぶやくことで周りに印象づけていた。不機嫌で、おぞましい自己存在を。